齋藤 瞳 代表(ブーランジェリー 『ラ・ウフ』)のインタビュー

ブーランジェリー 『ラ・ウフ』 齋藤 瞳 代表

ブーランジェリー 『ラ・ウフ』 齋藤 瞳 代表 HITOMI SAITO

2003年11⽉、横浜市⻘葉区みすずが丘にベーカリーカフェをオープン。パンの美味しい食べ方提案の場として地域のお客様方に多くの支持を得る。店舗の契約期間終了を機に2008年8⽉、東急田園都市線・江田駅近くに移転。パン屋に特化する為、カフェを設けず心と身体に優しい味わいのパンや焼き菓子を製造販売するブーランジェリーラ・ウフとして現在に至る。

これまでの歩みと開店に至る経緯についてお聞かせください。

長く製パン会社に勤めベーカリーと共にカフェ業務やレストランなど様々な経験をさせて頂いていましたが縁があり2003年にみすずが丘で「ブーランジェリーカフェ ラ・ウフ」を開店するに至りました。長年に渡り技術を磨き資金を蓄えてやっとの思いで夢見て来た小さな店を持つ・・・そんな人達も少なくないと思いますが私の場合は、たまたまの偶然やちょっとしたご縁がキッカケになってあっという間に開店準備を進めることになり、否応もなく日の出前に起きて夜まで働き通しになる生活に一変しました。そしてあっという間に7年が経過です(笑)その間、テナント契約も終了間近になってみすずが丘から江田に移転しました。パン屋に特化する為、カフェを設けずパン一本のブーランジェリーとして現在に至っております。

パンのこだわりについてお聞かせください。

日本人は外国から新しいものを取り入れてアレンジするのが得意ですが、味覚には民族的な歴史が大きく影響しますから、本場のモノであれば絶対に美味しいというわけではないと思うのです。そこで日本人の長く続いてきた食文化に融合するようなパンをアレンジする必要があると考えました。元来、フランスのカンパーニュは酸味が強いものなのですが、当店では日本人の方のお口に合うようマイルドな味に仕上げています。

パンは温度と湿度の管理がとても難しいものです。パンは寒いのも苦手、暑いのも苦手、湿気も乾燥も苦手ですから天気予報に頼るのではなく、空気や湿度、温度を自分の感覚で感じる必要があります。その感覚を頼りに毎日パン作りに取り組まなくてはなりません。
ホームベーカリーが普及し、ご家庭でパンをお作りになる方が増えてきています。実際、パンは誰でも作れるものです。歌と一緒で歌は誰にでも唄えますが、人を感動させる歌は誰にでも唄えるものではありませんよね!パン作りも同じかなぁ~と。ここでしか食べることの出来ない味を作り続けることがウフの使命でもあると思いますので、それらをふまえ、これからもお客様に愛される「ブーランジェリー ラ・ウフ」の味を守り育ててゆきたいと考えております。

こちらのオススメのパンをお聞かせください。

天然酵母を使用した「パン・ド・カンパーニュ」が当店の看板商品となります。プレーンはもちろん、[1]ハーブオニオン、[2]10種類の雑穀、[3]無農薬いちじくを使用したもの。[4]クルミとピスタチオ、[5]イランでのみ産出されるジュエリーレーズンやクランベリー等を使用した、たっぷりフルーツ、[6]黒ごまとレーズン、などなど、豊富な種類のカンパーニュを取り揃えております。
カンパーニュはパン食生活の長い方が好まれる傾向にあり、小さなお子さんを抱えてらっしゃる方はやわらかくてその場ですぐ食べられるようなソフトなパンを好まれるようです。

小物系はなるべくビジュアルにこだわろうと考えています。「ワァー可愛い」ですとか「あ、素敵」というような感嘆符が聞こえてくるようなパンをご提供したいと思っています。

例えば・・・一般的なクリームパンはグローブ型をしていますが、当店のクリームパンは店名の『ウフ』を連想させる卵型を意識しています。そこにアーモンドを5枚、花びらのように飾ってあるんです。女性のお客様に可愛いと思っていただければと始めたのですが、やり始めてみますと苦労も多くて(苦笑)。アーモンドを1枚忘れてしまったことがあったのですが、「 足んないよ、お花じゃない」ってお子さんを泣かせてしまったことがありました(笑)。

お店の『これから』と『いま』についてお聞かせください。

来店されるお客様にとって楽しみの多い店にしたいと思っているんです。 そういった意味でもパンだけではなく、焼き菓子もこれから充実させていきたいと思っています。当店のラスクは厚さが2ミリくらいと、とても薄いのが特徴です。4~5種類のカンパーニュとその他10種類程のパン、合計14~15種類の様々なパンを薄くスライスして焼き上げたもので、色々な味が楽しめることと、他では類を見ない薄さが面白いとご好評をいただいております。
お店が出来たばかりの頃はパンが余る状況がしばらく続いていました。それをラスクにしておやつ代わりに自分で食べていたのですが、スタッフに受けが良く、商品化したものが現在のお店の定番となっています。いまではラスク用にパンを焼かなければならないという逆作用が発生しています。

思い通りにいかないことも多々あって、それはそれでお店を続ける上での面白さとなっています。シナリオ通りにいかなくても、やがて良い方向に向けば良しと『いま』は考えています。日々色々な発見があり、楽しい毎日を過ごしております。又今後は若いスタッフを育てたいと思っております。自分の力を試したい、店を持ちたいと考えている若い人達の夢を叶える場になれたら・・・・と思っています。大手の製パン会社勤務で感じた事は数々とあり、組織の中ではやりたい事、辞めた方が良かろうと思うことも中々すぐには具現化出来ないというジレンマがありました。自分の店を持ってみて新しい試みはすぐに始められ、無駄はすぐに排除できることの良さを更めて感じているので”私を認めて!力を発揮する場を与えて!”という優秀な人材があれば(現在、頑張っているスタッフもおります)共により良い店作りに向けて歩んでゆきたいな・・・と考えております。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

パンは日常のものですが、日常に留まらない商品にもなりうると考えています。それをカタチにしたのがギフトです。洋菓子や和菓子の贈り物はキチンと箱に入れていただいたりすると、改まってお返しをしなければ・・・と考えてしまうものですよネ!しかし、それがパンであれば、遊びに行くついでにパンを持っていくといった風に気軽なギフトになると思うんです。手みやげ代わりのパンですね。当店ではラッピングやカード等もいくつか種類を揃えていますので是非、ご利用ください。日常の食卓プラス、ちょっとしたコミュニケーションの美味しいツールとしても当店のパンを愛用いただければ幸いに思います。

※上記記事は2011.4に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

ブーランジェリー 『ラ・ウフ』 齋藤 瞳 代表

ブーランジェリー 『ラ・ウフ』齋藤 瞳 代表 HITOMI SAITO

ブーランジェリー 『ラ・ウフ』 齋藤 瞳 代表 HITOMI SAITO

  • 開店日: 2003年11月22日
  • パンの種類: 50種類以上
  • 酵母: 天然酵母とイースト
  • ネット販売: 瞬間冷凍して全国に発送可能です
  • 好きな場所・観光地: 信州、北海道

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