みんなのくすり屋さん 薬剤師 大島 幸徳/代表 YUKINORI OSHIMA
地域に根差した「街の保健室」を目指し、2020年1月に『みんなのくすり屋さん』をオープン。
地域に根差した「街の保健室」を目指し、2020年1月に『みんなのくすり屋さん』をオープン。
当初、大学の理工学部に進んでいた時に薬剤師という立場の医療の担い手があるということを知り、この道に進むことを決断しました。医療者への憧れは母の死が契機となったように思います。最期の時に駆けつけることができず、話すことも何もできなかった。その後悔が大きく残っていたのでしょう。あらゆる仕事が人の役に立ちますが、介護や医療の仕事はその中でも感謝が見えやすいと思うんです。誰かの役にたてるというのは、やはり嬉しいことですし、その想いは今もまったく変わっていません。
学生の頃はおよそ40軒ほどの薬局に見学や実習に行かせていただきました。卒業後は薬局の管理薬剤師やマネージャー、取締役などを経験、2020年1月に『みんなのくすり屋さん』を開局し、現在に至ります(東急田園都市線「あざみ野駅」「たまプラーザ駅」どちらからも徒歩15分)。
地域の皆さんからは「くすり屋さん」と呼ばれることのほうが多いんです。一般的には「薬局」、もしくは「ファーマシー」と名乗るのことが多いと思いますが、せっかくそう呼んでいただいているのに、わざわざかまえる必要はないと考えたのです。
それから、私たちの役割は、皆さんの健康の一助となることと認識しています。「健康」ということを考えると、何もお薬だけではありません。フィットネスやアロマセラピーも入ってくるでしょうし、社会とのつながりも健康の要件の1つとなってきます。「薬」と役割を限定するより、私たちにできることで健康に貢献していきたいとも思い、「みんなのくすり屋さん」と名付けさせていただいたのです。
「く・す・り・」と笑う、その瞬間。私たちは人の「笑顔」をつくる専門家でありたいと願っています。
処方箋を見てお薬をただ提供するだけでは、薬剤師としての務めを果たしているとは言えません。このお薬はどういうものなのか、あるいはその方の気がかりなことを聞き出した上で、納得してお帰りになれるお薬の提供を目指しています。
滋養強壮の「キヨーレオピン」や各種アロマなど、特徴的な製品を置いていますが、1番の特徴は検査キットの販売です。検体測定室というものがあり、当店はその認可を受けています。例えば、指先から血液を数滴採取し、それを分析することでコレステロール値やヘモグロンA1cなどの値をこちらでチェックすることができます。治療中の方はもちろんですが、健康診断等で何らかの指摘を受けた方が、1年間食事に気をつける際のモチベーションを保つために検査を利用していただくことは有用だと考えています。
日本には優れた国民皆保険制度があります。これは世界に冠たる素晴らしいシステムなのですが、反面、病気にならないための努力が日本人には足りないのかもしれません。とはいえ、今後、個人の健康意識は高まっていくでしょう。「軽医療」と言いますが、お薬や検査など私たちが持ち得るツールで、「健康」というものにより積極的に貢献していければと考えています。
あざみ野地区全体で、「認知症にやさしい街プロジェクト」が進行中です。その一環として、当店では認知症サポーター育成講座を開催しています。ご家族や親しい人に何か気にかかる行動が見えた時、それにいち早く気づけるように、または本人を傷つけずに誘導してあげるにはどうすればいいか、認知症の基礎的な知識を手に入れることができます。
世の中には、ギャップというものがあります。認知症も然り、病気や障害、老化など、認識が十分でないからこそ起きる齟齬というものがあります。「知る」ことで、私たちは理解し合えると思いますし、人に優しくなれると思うんです。この街でお世話になっているものとして、おくすり屋さんを離れた活動にも力を入れてまいります。
「街の保健室」でありたいと思っています。処方箋をお持ちいただくことはもちろん、お薬で困ったこと、体のことで困ったこと、介護などで困ったこと、なんでもご相談ください。お気軽にご相談頂ける、私たち、街のくすり屋さんだと思うのです。軽医療から重医療への橋渡しも可能ですし、医療の最初の窓口として、どうぞお気軽にご利用ください。
※上記記事は2021年10月に取材したものです。
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