CONTE(コンテ) 斎藤 融 靴職人 Toru Saito
神奈川県厚木市出身。大手化粧品メーカーの営業マンを経て、靴職人の道へ。2014年にオーダーシューズブランド「TORUSAITO」を発表。2017年に「CONTE(コンテ)」をオープン。オーダーシューズのほか、靴職人とした技術を活かした靴修理を提供している。(東急田園都市線 藤が丘駅から徒歩約8分)
神奈川県厚木市出身。大手化粧品メーカーの営業マンを経て、靴職人の道へ。2014年にオーダーシューズブランド「TORUSAITO」を発表。2017年に「CONTE(コンテ)」をオープン。オーダーシューズのほか、靴職人とした技術を活かした靴修理を提供している。(東急田園都市線 藤が丘駅から徒歩約8分)
靴職人になろうと思ったのは20代も後半になってから。もともとは大手化粧品メーカーの営業マンだったんです。ヘアカラーなど美容室向けの営業を担当していたので、服装もわりと自由で先輩方もみんなオシャレ。靴も皆さん、カッコいいものを履いていて、それに影響されて自分も革靴を履くようになり、興味を持ち始めた……というのが、最初のきっかけだったと思います。その後、30歳を前にして、この先どうしようかなという壁にぶつかり、そのときに「やりたいことをやっている方が幸せかな」と。自分は学生時代にずっとボクシングをやっていたのですが、当時はプロになりたくて毎日ジムに通い、自分の時間なんて全くなかったけど、すごく充実していたんです。でも、社会人になってからは、その充実感があまり得られていなかったなと。それに気付いたこともあり、自分が打ち込める仕事をしようと、転職を決意しました。
当時は、靴が好きだから靴職人もいいなといった軽い気持ちでした。先輩から「靴が好きなことと靴を作ることは別だよ」と言われたりもしましたね。でも、まずはやってみようと、靴作りの教室に週末だけ習い事のような形で通い始めたのですが、そこから、どんどんハマってしまい、改めて浅草にあった靴職人さんが開いている2年制の学校に通うことに。30歳を目前にして、靴職人への道を歩み始めました。週に3日、学校に通いながら麻布十番にある靴職人が手がける靴の修理屋さんでアルバイト。一軒家を改装したお店でスペースも広く、いずれはオーダーシューズをやりたいと言ったら、「うちで働きながら準備して、販売したらいいよ」と言ってくださって。そこで10年ほど準備して、2014年に念願だった自分のシューズブランド「TORUSAITO」を発表。その麻布十番のお店で販売を始めました。
その後、2017年に藤が丘にこの「CONTE」をオープンしました。独立を決めたのは、自分の名前で勝負したかったから。やっぱり他人のお店では、そのお店のサービスという感覚が強くなってしまう。オーダーシューズは、自分の美意識というものが評価される世界です。アーティストというわけではないですが、手がける靴職人それぞれの靴のスタイルがあって、そこに興味を持ってもらう。自分の靴のファンを作っていくというイメージなので、その感覚を自分の店で掴みたいという気持ちが大きかったと思います。
オーダーシューズというのは、ビスポークシューズとも言われます。ビスポークとは“be speak”という、お客様と職人が話し合って作りあげていくというスタイルです。靴はもともと欧米の文化ですが、自分は日本で修業した靴職人。だからこそ、お客様とじっくり相談しながら日本人の足に合わせた、カッコよくスマートな靴を作っていきたいと考えています。日本人の足がきれいに見える靴。今は日本の靴のスタイルは定まっていませんが、今後のベースになるようなものを作っていけたらと思っています。
また、「CONTE」では、靴の修理も承っています。男性の革靴だけでなく女性のハイヒールなど、幅広く対応していますので、困ったことがあったら何でもご相談してください。
自分は青葉台で、靴の文化を育てたいと思っています。「CONTE」は僕が靴を作ったり、修理したりしている工房が外から見えるので、通りがかった小学生たちがたまに覗いてくれるのですが、その子たちが靴って面白いなと思ってくれたら嬉しい。最初に興味を持つきっかけが変われば、もっと気楽な気持ちで革靴に接してもらえるのかなと思うんです。オーダーシューズは、メンテナンスすれば10年、20年と履き続けてもらえるもの。イギリスのチャールズ皇太子などは破れた箇所にパッチを貼って、長く愛用していらっしゃいます。そう考えると成人のお祝いで一足、オーダーして頂いて、それを長く履いてもらえるのが理想なのかなと。オーダーシューズ以外の修理、メンテナンスも同様です。お客様の大切なものを、安心してお任せしていただけるお店で在りたいと思います。
※上記記事は2021.9に取材したものです。
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