おおぎや整形外科 扇谷 浩文 院長 HIROFUMI OOGIYA
昭和大学医学部を卒業後、整形外科を専門に研鑽を積む。大学病院や総合病院で経験を重ねるほか、海外留学を経験。2011年、「藤が丘駅」そばに開業。
昭和大学医学部を卒業後、整形外科を専門に研鑽を積む。大学病院や総合病院で経験を重ねるほか、海外留学を経験。2011年、「藤が丘駅」そばに開業。
私が3歳の時に父が整形外科医院を開業しました。それで小さい頃からよく病院に行き、ギブスを巻いたり、包帯を巻くのを手伝ったりしてたんです。もちろん、子供のすることですから、手伝いといっても役に立っていたかどうかは定かではないのですが(笑)、そのおかげなのか、医者になってからも比較的抵抗なく馴染めた気はしています。私の家は医者の家系なんです。兄も医者なら姉は薬剤師で、母の兄弟も5人が医者をしているという具合です。ですから、環境が自然とこの道を選ばせたという部分が大きいのではないかと思います。
大学を卒業して整形外科を選択したことは父から受けた影響が強かったと思っています。しかし、最初から整形外科1本というわけでもなかったんです。というのも私は子供が好きでしたから、小児外科とどちらにしようかと悩んでいた時期がありました。外科医である兄に相談したところ、最終的に整形外科に落ち着いたわけですが、「まあ兄貴と同じことをやるのも・・・」という気持ちもありましたね(笑)。その他の理由には、当時の整形外科の教授が非常に面白い方で、その先生に惹かれてという部分もあったかと思います。
『おおぎや整形外科』は昨年(2011年)の11月に開院しました。それまで私は藤が丘病院と藤が丘リハビリテーション病院に30年ほど勤務してきました。長く同じ場所で患者さんを診てきましたから、これまでどおり診察を続けるにはどうしたら良いものかと考えて、勤めてた病院の目の前での開業ということになったんです(笑)。まあ、北に行けば南の人から「遠くに行ってしまう」と言われちゃいますし、西に行っても東に行っても同じことですからね(笑)。
整形外科とはラテン語の「オルトペディ」という言葉が語源となっています。このオルトペディをそのまま訳せば、「小児矯正」となるんです。このことからもわかるとおり、整形外科とは本来、子供のことを知っているべきものなんです。しかし、最近は背骨や膝の痛みといった大人の治療がメインとなっていて、大学病院でも子供を診ることの出来る医師というのは減っているようです。当院は20歳以下の子供さんの割合が多く、ネットやクチコミ、紹介で来られる方が増えています。これは整形外科としては多い方かもしれません。私は大学で小児整形を専門にしていまして、そのこともあってお子さんの患者さんが多いんだろうと思われます。
専門性ということで言うと、私は子供の股関節脱臼を主に診ていました。股関節脱臼とはそのまま放置しておけば跛行といって歩き方がおかしくなり、ゆくゆくは手術に至る病気です。しかし、的確に診断をおこない、必要な処置を講ずることで改善が可能なんです。
当院では全下肢、足全体を写すことが可能なレントゲンを設置しています。これは先の股関節脱臼や側弯症の診断には有用で、お子さんを診る上では不可欠な機器であると考えています。
レントゲンの設備について述べたばかりですが、当院ではその心配がないと判断すれば、なるべくレントゲンを撮らない方針をとっています。これは、1つには昨今の事情もありますが、もう1つに超音波による診断の有用性を考えてのことです。特に赤ちゃんの治療には超音波を使用するケースが多いですね。最近は股関節が悪いとなると、手術という選択肢が第一となっているようです。ですが、手術を受けたくないという方は確実にいらっしゃるわけであり、その方々のための積極的保存療法としての運動療法と、その限界の見極めということに私は重点を置いています。
今現在受けている治療に納得がいかれているのであれば問題はないのですが、もし少しでも納得がいかない部分があるのであれば躊躇せずにご相談していただければと思います。患者さんが納得して治療に取り組めるよう充分な説明をおこなっていきたいと考えています。
接し方として、ご年配の方とお子さんについては若干違う面があります。子供の場合、まず最初に上手くコンタクトがとれないと、診ることさえ叶いません(笑)。だからこそ不安を取り除くために色々と試行錯誤する必要があるんです。例えば子供ってシールが好きなんですよね。最初は固くなってる子でも、「シール好き?」なんて話し掛けながら診療を始めると徐々に表情が柔らかくなっていきます。診察をさせていただくために、知恵の限りを尽くすということになるでしょうか。それから大人の方の場合ですが、一番大事なのは患者さんと顔と顔を合わせてお話をするということだと思います。当院では電子カルテを用いていますが、私がそれを自分で打つということはたまにしかありません。自分で打つとなると、いくら手慣れた先生であってもどうしても注意がパソコンの画面に向いがちになると思うんです。「自分の思っていることを聞いてもらいたい」と考えている患者さんに対して、それでは意味を為さないと思うんですね。
病気というものは時にその方の内面の問題が大きく関係していることがあります。だからこそ、その抱えておられる悩みをケアする必要があるんです。患者さんとしっかりと向き合い、じっくりと話していくという私のスタンスを大事にしていきたいと思っています。
年代や性別、それぞれの患者さんによって多少接し方は変わってきますが、全ての方に共通してることは、あたりまえですが、笑顔で接することなんです。
親御さんは自分の子供が正常なのか、そうではないのかといったことをとても心配されるものです。「他の子と違うなあ」と思った時は、1人で悩まずご相談していただければと思います。心配が杞憂に終わればそれに越したことはありませんし、仮に何か問題があったとしても、その時は私が責任を持って診療をおこないます。それからこれはご年配の方々へのメッセージですが、年をとればみなが病気になるわけではありません。ですから、「それは年のせい」とあきらめず、当院へいらしてみてください。身体が悪くなるということはそこに何かの理由があるはず。ご納得いただけるように丁寧に説明をおこない、必要な処置を心掛けています。
※上記記事は2012.10に取材したものです。
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