原川 良介 院長（はらかわ歯科たまプラーザ)のインタビュー

大学医院の義歯外来から自衛隊の歯科医官に

歯科医になろうと決めたのは高校生のときです。もともと医療職を志望していたのですが、そのなかでも細かいものを作るというところで自分に向いているのかなと思ったのがひとつ。そして、当時読んでいた歯科医の本で、東京医科歯科大学は先進的な取り組みが進んでいるということを知って「そこで勉強がしたい」と進学先を決めました。大学では、補綴というかぶせ物や入れ歯の分野に興味を持ち、卒業後は大学病院の義歯外来に勤務。臨床や研究などに携わりました。その後、歯科医官として自衛隊に入隊。ちょうど当時『失敗の本質』という組織論の本を読んでいて、大きな組織のなかを見てみたいと思っていたのと、単純に歯科医師として普通だったら行けないような場所に行けるのでは、と興味があったんですね。任務に同行する形で、海外に行くなど様々な経験をさせていただいたのですが、コロナ禍の影響もあり、家族の近くで地に足を付けたいという思いから開業を決意。2021年12月にこの「はらかわ歯科たまプラーザ」を開院しました。

専門性のある治療にも対応可能

当院の強みは、診療面でいうと欧米型の歯科医療を取り入れているところだと思います。欧米だと、GP（General Practitioner）と呼ばれる一般臨床歯科の先生と専門医がそれぞれいて、まずはGPが患者さんの状態をチェックして、必要があれば専門医に。患者さんの管理や監督的な役割はGPが行うというスタイルが一般的になってきているのですが、当院でもなるべくそのスタイルを踏襲したいと考えています。専門性が高く、技術が必要なインプラントや矯正、神経の治療などの先生には別途来ていただいていますので、高度な治療が必要な患者さんにも対応が可能です。

かかりつけ医としても地域の強い味方に

その一方で、アクセスしやすい場所にありますので、困ったことがあったときに気軽に来ていただきやすい、クリーニングなど習慣的に通ってもらいやすい、という面も強みになっていると思います。かかりつけ医と専門性、その２つが当院の特徴です。また、自分はかぶせ物や入れ歯という補綴に注力していた経験から、患者さんの10年、20年後、長い観点で見たときにどういうリスクがあるのか。そういった部分を先読みできるのが強みです。例えば入れ歯だと全く歯のないところに新しく歯を作るので、全体的なかみ合わせを見なくてはいけないですし、むし歯治療を繰り返していると歯のバランスが徐々に崩れていってしまうので、そこを意識していかなくてはいけない。そういった全体のバランスを考えながら治療の提案をしています。

一人ひとりを尊重する治療を

治療においては、患者さん一人ひとりを尊重することを大事にしています。やはり、治療というのは医師と患者さんがひとつの疾患を治すという協力行為でもありますので、信頼関係をちゃんと作ることが重要です。そのためには、やっぱり当たり前のことですけど、患者さんの声をしっかりと聞くこと。何でも言ってもらいやすい環境作りも大切だなと感じています。長くなってしまってもいいので、気になることがあるなら全部お話していただきたいですし、それを聞いた上で適切な治療法を提案して、一緒に治療計画を作っていく。一方で、歯科の治療は専門的で難しいところもあるので、それを少しでも理解して頂けるように、治療椅子横の大型モニターでお口の中の写真や参考になる資料をご覧頂けるようにしています。様々な資料で安心・納得して治療に臨んで頂くことが大事だと考えています。

将来的なリスクなど気になることはお気軽に

プライベート感に配慮した診察室になっていますので、ほかの患者さんの視線や声が気にならない環境のなか、落ち着いて治療を受けていただけるのもポイントです。クリーニングなども長めにしっかりと対応していますので、定期的に来ていただける習慣をつけてもらえたらと思いますし、僕私自身は補綴、入れ歯が専門ですので、歯の治療はもちろんのこと、入れ歯で悩まれている方はぜひご相談に来ていただけたら嬉しいです。今、痛みや悪いところがなくても将来、自分の口のなかにどういうリスクがあるのか、といったことを聞いてみたいというだけでも大丈夫です。今は予防の時代ですし、痛くなってからだと遅いんですよね。痛くならないように、事前にしっかりと対策を講じることが大事だと思いますので、気になることがあればお気軽にいらしてください。

※上記記事は2022年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。