谷川 真有（たか鍼灸院)のインタビュー

交通事故治療で出会った鍼灸に惹かれて治療家に

鍼灸に出会ったのは、前職を退職した20代のとき。もともとはホテルの料理人だったんです。大きなホテルに勤めていたんですけど、自分が働き始めた当時は男子トイレしかないような男社会。かなり厳しい環境で、メンタル的にも肉体的にもつらくなって辞めてしまったんですけど、そこで父に「鍼灸でも受けてみたら？」と言われて施術を受けたのが鍼灸との最初の出会いでした。その後、ここから何をしようかな、と思いながら事務の仕事をしていたときに交通事故に遭ってしまって。その事故の治療で鍼灸に再び通うようになり、そこで出会った女性の先生に感銘を受け、鍼灸をもっと知りたいと専門の学校に入学。卒業後は4年ほどセンター南にある治療院に勤務し、自分が学んでいた長野式・キーコスタイルという流派の勉強のために1カ月ほどカナダへ。帰国後、しばらくしてから2012年に「たか鍼灸院」を開院しました。

原点は自分の実感と経験

鍼灸治療にはいくつか流派があるのですが、私が基本としている長野式・キーコスタイルは東洋医学と西洋医学の融合を目指しているもの。私も最初に施術を受けたときには、魔法みたいだなと思いました。例えば、腰痛の治療なのに鍼を打つのは腰ではなく、足だったりするんです。痛いところに鍼を打たないのに楽になるんですよね。それがなぜなのか、というところを知りたくてこの流派を学び始めました。自分が治療家を目指したのも、そこがきっかけです。単純に「すごくいい！」と思ったので、それをもっと多くの人に体験してもらいたいなと思いました。今、趣味で野球を続けられているのも鍼をやっているからなんですよね。怪我も多いし、若い子に交じってプレーしているとしんどいなと思うこともあるけど、鍼さえあればどうにかなるだろう、このあと夜に鍼すれば大丈夫って（笑）。自分の実感、経験が治療家としての原点です。

触れ方を重視した身体の声を聞く鍼灸治療

当院の施術は、まず、脈・お腹・舌を診させていただくところから始まります。よく観察（望診）をしてから、切診（触診）。脈やお腹を触って、患者さんのどこに問題や原因があるかを探っていくイメージです。見た感じだとこう思うけど、脈とお腹の状態だと？という感じで答え合わせをしていくような感覚です。その後、鍼やお灸を用いて改善に導いていきます。症状を解消するのはもちろんですが、根本的な治療から体質改善を目指していくことにも力を入れています。また、患者さんと向き合うときに一番大事にしていることは、触れ方。患者さんが緊張したり、くすぐったいという気持ちになったりすると、それだけで感覚が変ってしまうので、手の添え方など特に気を付けています。

「もっとよくなるはず」という気持ちで丁寧に

今、治療に来ていただいている患者さんはほとんどが口コミでご紹介いただいた方です。なかには、10年以上通ってくださる方もいらっしゃいますし、自分がこうして治療家として活動していられるのは、一人ひとり丁寧にじっくりと診る、ということを続けていた結果かなと嬉しく思っています。患者さんのなかには整体の先生もいらっしゃるんですが、以前「なぜ自分の治療を受けに来てくれるんですか？」と聞いたことがあったんです。治療家としては大先輩なのになぜ？と単純に不思議だったんですね。そこで「先生は、改善に向けてどうにかしようとしてくれるから」と言ってもらえたことが、すごく印象に残っています。「もっとどうにかなるでしょ」と諦めずに施術をしていたことが伝わったんだなと、とても嬉しかったです。

得体の知れない調子の悪さも相談に！

原因不明の具合の悪さがある方、ちょっと疲れているのか、気分がのらないのか。得体の知れない調子の悪さを感じている方に、ぜひ当院の施術を受けていただきたいと思います。こんなご時世ですし、気分が落ち込んでしまうこともあると思うんですけど、それって病院に行くほどのもの？どうしたらいいの？何を変えたらよくなるの？と悩んでいる方も多いのかなと。そんなときに、鍼を受けるとそれだけで気持ちが上向きになると思うんです。やっぱり体調がよくなると少し元気になって、また新たなことを始めようという気持ちになったりもしますよね。当院は専門性があるわけではありませんが、色々な症状に対応出来る事こそ鍼灸の醍醐味と思っています。それこそ、ものもらいや、蜂に刺された時の腫れなども、とても楽になったりします。こんなのも鍼で良くなるの？と自分も驚く事がまだまだあります。身体の声をじっくりと聞いて根気よく症状を見つめながら治療を行っていますので、気軽にご相談いただけたらと思います。完全個室、完全予約制ですので、落ち着いて施術を受けていただけるのも特徴です。

※上記記事は2022年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。