きらぴか歯のクリニック 山川 翔子 院長 SHOKO YAMAKAWA
神奈川県横浜市青葉区出身。桐蔭学園卒業。昭和大学歯学部卒業。昭和大学歯学部歯科病院総合診療科を経て、神奈川県および東京都内のクリニックにて勤務。2021年10月「きらぴか歯のクリニック」開業。
神奈川県横浜市青葉区出身。桐蔭学園卒業。昭和大学歯学部卒業。昭和大学歯学部歯科病院総合診療科を経て、神奈川県および東京都内のクリニックにて勤務。2021年10月「きらぴか歯のクリニック」開業。
高校生の頃、進路を選択するときに将来どんな職業に就こうかなと悩んでいました。一生仕事をしたいという気持ちがあったので、女性でもずっと働ける仕事を選ぼうと思っていました。好きな科目から進学先の大学や進路を選ぶというよりは、どんな職業人を目指すかという視点で将来を考えていましたね。そんな頃、高校のOB・OGが仕事について語る授業がありました。そこで、女性で歯科医師として開業されている方がいらして「歯科医療は地域の方々の健康に貢献できる素晴らしい職業です」「歯科業界はまだ男性社会だけれど、これからは女性も活躍できる職業ですよ」とお話をされたのを聞いて感銘を受けました。お話いただいた先輩もとても生き生きとして自信に満ち溢れた素敵な女性だったんです。高校生の私は憧れを抱いて、「よし!歯科医師を目指そう」と決めました。両親は医療業界ではありません。大学に入学してからは予想していなかったことに驚きました。医療人とは知識や技術だけを持っているだけではなく、医療人特有の考え方も必要だということを知ったんです。ですが、医療業界を外からしか見たことがなかった私は、その医療人としての考え方や常識などを初めから理解するのは難しいことでした。同級生は親や親戚が医療関係者という人が多く、普段から医療について話を聞いたりして育っているので、私だけみんなより遅れている感じがしましたね。結局、大学生活6年間は驚きの連続でしたが、なんとか先生のお話、歯科医師の先輩方のお話、同級生たちも含めてみんなの背中を頑張ってついていったという感じでした。
歯科医師として働くうちに、大学で習ったことを実感として理解していきました。もちろん、技術や知識は大学や研修医時代で身についていますが、患者様に実際に治療をしていくなかで、歯科医師として大事なことが私自身の深いところで少しずつ腑に落ちていった気がします。例えば、大学時代「患者様から『ありがとうございます』と言われる歯科医師を目指しましょうね」と先生から教わりましたが、当時は分かるようで分からない考え方でした。でも患者様に向き合い治療をしていくうちに、その意味が分かっていったのです。患者様のお口の状態は人それぞれですし、患者様の事情もそれぞれ違います。さらに、患者様が治療に求められていることもそれぞれ違います。治療をしていくと患者様一人ひとりの正解が違うことが分かってくるんですね。「この方には、どれが正解だろう?」と日々試行錯誤しながら、正解を見つけるまではお口の中だけではなく、患者様自身にも向き合います。話題は歯と健康についてですが、お互い人間同士向き合うことで初めて治療の正解を見つけられるのです。そうして治療を施したあと、それに対して「ありがとうございます」と言っていただく。それは、他の歯科医師でも出来た治療に対してのお言葉ではないのですね。1人の患者様としっかりと向き合った自分の歯科医療に対する「あなたから治療を受けてよかった」という言葉なんです。「大学で習ったことってこういうことだったんだ」と深く気づいたと共に、仕事の醍醐味ややりがいを感じた瞬間でした。
治療で心がけていることのひとつが、患者様にわかりやすい説明をすることです。動画やアニメーションなどを使って、言葉で説明するだけでなく視覚的にも患者様が理解できるよう工夫をしています。また、予防歯科にも力を入れていますので、定期検診の啓蒙活動も行なっています。大人の患者様だけでなく、お子様も同じようにしていますね。お子様には、「歯医者さんは痛くなったら来る場所ではなく、定期的に通う場所なんだよ」ということを知ってもらいたいと思っています。歯の健康は体全体の健康に繋がります。歯科医院に定期的に通うことで、虫歯が悪化するのを防いだり口腔環境を整えることが出来ればそのお子様の将来の健康にも繋がるでしょう。ですので、歯科医院が怖い場所ではないというイメージを持ってもらうためにも、お子様一人ひとりに向き合ってコミュニケーションを取っています。患者様が安心感やリラックスを感じられるように「今日は、〇〇公園に行くの?」などそのお子様が好きな場所などを会話で出したりしています。以前、あるお子様が「きらぴかピクニックに来たよ」と言ってくれたことがあり、とても嬉しかったです。そのお子様は前回泣きながら当院に来たのですが、帰るときにはニコニコして帰っていたのでそのときの気持ちを覚えていたみたいですね。大人の患者様も同じで、患者様一人ひとり、どのような背景を持った方なのか、どんなことがお好きなのかなど自然な会話の中からお聞きして理解したい、治療に生かしていきたいと努めております。私だけでなく、歯科衛生士やスタッフがチームとなって患者様に寄り添えるよう接しています。コミュニケーションは、マニュアル化できない部分ですからお互いに誠実に向き合うことで患者様の健康へ繋げていきたいと考えております。
実は、歯科医師に出来ることは歯の治療だけではないのですね。食べることや、笑うこと、おしゃべりをすることについても患者様に専門的なアドバイスが出来る知識を持っているんです。栄養学も学んでいます。ですが、これまで歯科医師側もあまり治療以外のことは語ってこなかった部分があったと思います。私自身治療をしながら「この患者様には、こういう形態の食事の方が適切だろうな」「この歯並びだと食べ物が噛みにくくならないかな」など色々気がつくことも多くあります。歯科衛生士のスタッフもが「あの患者様、笑う時いつも俯かれているけれど何か気になる部分があるのかな」と気づくこともありました。だんだん笑うのが難しくなってきた患者様もいらっしゃったりして、歯並びの問題なのかお顔の筋肉の問題なのか、原因を歯だけでなくより広い範囲で見極める場合もあります。ですので患者様には歯の治療をするだけではなく、お口に関すること全体についてもアドバイスや啓蒙活動をしていきたいと考えています。歯科治療を軸にしながらも、歯科医療の領域を少しずつ広げていくことで患者様の普段の生活やこれからの人生をより豊かに出来る手助けが出来たらと考えています。
生まれ育った青葉区という町が私にとって特別な場所だと感じたのは大人になってからです。「これからのライフステージはどこで根を下ろそう?」と考えたとき、青葉区以外見つかりませんでした。私にとって青葉区は、子どもの頃から緑豊かで人々が安らぎきらきらと輝く地域なんです(笑)。ですので、卒業した高校の近くである江田駅の地に開業のご縁をいただいたときは本当に嬉しかったですね。普段から患者様とは色々な話をするのですが、人の繋がりが薄くなったと言われる現代であっても、青葉区の地域の方々は随分つながりをもってらっしゃる方が多いのだなと感じています。私自身も、この地域が大好きな1人です。開業してからは歯科治療をとおして地域を一緒に盛り上げていきたいという思いが強くなりました。歯科医師としてひとりの職業人として、親として街を作っていきたいという思いです。ゴミをポイ捨てしない、ということからどんな生き方をするかということに広がって、次の世代へ繋ぐ街を作っていくと考えています。地域を作る担い手であるために、日々診療をしています。何か私に出来ることがあれば少しでも力になりたいと思っています。
※上記記事は2022年6月に取材したものです。
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