あおばの森 内科クリニック 安藤 太基 院長 TAIKI ANDO
神奈川県立希望ヶ丘高校、昭和大学医学部医学科卒業。横浜市立大学大学院博士課程修了、静岡赤十字病院、神奈川県立がんセンターなどを経て横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科の助教に就任。その後、こどもの国駅のおおぜき医院で在宅医療に従事。地域における血液内科クリニックの必要性を感じ、2023年4月にあおばの森内科クリニックを開院。
神奈川県立希望ヶ丘高校、昭和大学医学部医学科卒業。横浜市立大学大学院博士課程修了、静岡赤十字病院、神奈川県立がんセンターなどを経て横浜市立大学附属市民総合医療センター血液内科の助教に就任。その後、こどもの国駅のおおぜき医院で在宅医療に従事。地域における血液内科クリニックの必要性を感じ、2023年4月にあおばの森内科クリニックを開院。
医師を目指す前はスイスで湖を見ながら数学を学んでいました。僕は4人兄弟の末っ子で、上の3人が色々な仕事にトライする中、自分は何か医療系の仕事に就こうかなと考えていました。最初は動物のお医者さんや樹木医もいいなと。その方が自分には合っていると思っていたんですよね。
血液内科医を選んだのは、大学でお世話になった森教授の影響です。僕が医学生として病院に泊まっていたある朝、病棟をウロウロしていた教授を見かけました。不思議に思って看護師さんに聞いたところ、患者さんとコミュニケーションを取りながら採血をしているのだそうです。自分の患者さんは採血も自分で、というお考えの方だったんですね。僕が昔から思い描いていたお医者さん像そのままの姿にすごく惹かれました。
血液内科医というのは医師の中でも少し特殊かもしれません。せっかく勉強したのだから科学者のような目線も持っていたい。森教授のような医師像と科学者をミックスしたような診療科だと思っています。診断をして治し切るところまでやりますが、治せなかった場合も家族と一緒に最後まで寄り添うことができる。そういう点では選んでよかったなと思っています。
「もっと身近に血液診療を」というのがクリニックのコンセプトです。病院探しで悩んでいる方、治療中で悩んでいる方、できる治療は全て終え、残された時間をどのように過ごしたらよいか悩まれている方。このような3つのステージに関する悩みに向き合おうと考えています。
血液内科は一般的に、大学や総合病院のような大きな病院にある診療科です。僕は以前、2年ほど在宅医療に携わりましたが、その時の経験が地域に血液内科クリニックを出そうと考えるきっかけになりました。
血液内科とはどのような時にかかるのか、よく分からない方も多いかもしれません。最も多く診るのが貧血で、他にも健康診断で血液の数値が引っかかって来院される方もいます。健診で「血液内科を受診してください」と言われたら、ちょっと不安になりますよね。そのまま大病院に行かれる方も多いのですが、朝から何時間も並んで大体の場合が「特に問題ありません」と言われて帰される。これは患者さんにとってもストレスですし、医師側からしてみれば本来大学病院でやるべき緊急性の高い治療に集中できないというジレンマも生じる。健診の2次検査を地域の血液内科で診ることができれば、このような問題は解決できるはず。これも僕が地域に血液内科クリニックを出そうと考えた理由の一つです。
当院では、尿や血液だけで簡単にがん検診が受けられるようにしています。人間ドックは高額ですし、胃カメラや大腸カメラで調べるのもちょっと辛いですからね。「線虫N-NOSE」という特別に開発された生物の嗅覚を利用した検査があり、これは尿検査だけで15種類のがんのリスクが調べられます。
実は僕もたまたま知りましたが、藤沢市のふるさと納税でこの「線虫N-NOSE」を昨年から始めたらしいんですね。大切な人へのプレゼントに利用するというアイデアもあって、とてもいいなと。ですから特に今すぐの不安がなくても、気軽に利用してほしいと思います。
がん検診については、がんを見つける検査の入口と、見つけた後のフォローの2つが当院のミッション。例えば線虫検査でリスクが高いと分かった方には、検査会社から連絡が入ります。ですが検査会社の役割はあくまでリスクを測るところまで。もしもリスクが発見された場合は、当院で精密検査をしたり、必要に応じて専門病院へお繋ぎします。もちろん僕自身も血液専門医として治療に関わっていきます。
患者さん目線で考えることでしょうか。例えば在宅診療では非医療者に関わってもらい、医師がやろうとしている治療が患者さんの生活の中で風景として成り立つのかどうかを見てもらうようにしています。仮に医師の立場で「24時間点滴をする」と判断したとしても、狭い団地の一室でそれ成り立つかと言ったら難しいこともありますよね。僕もいくつかの目線で見るようにはしていますが、どうしても抜けてしまうものもある。ですからチームでやることが大事だと思っています。
在宅診療に関しては、今は限られた方のみお引き受けしていますが、そもそも血液内科の在宅医が少ないのでお問合せも多くいただいています。
展望はあえて作らないようにしているんです。先ほどお話しした森教授のように、その先生らしさがそのまま結果になると思っています。ひとつ言えるとしたら、無害でありたいということでしょうか。言い換えると人のアンハッピーを拭うことがゴールかな、ハッピーを与えるというよりは。何か心配があって来院された方には、その心配を拭ってあげて、ほんのちょっとでも気持ちよく帰っていただければいいですね。そのためにはスタッフの働きやすさや休みやすさも大事だと思っています。そうしないと患者さんのアンハッピーを拭う仕事はできませんから。
患者さんには気軽に健診結果を持ってきてもらい、「他のクリニックとはどこか違うな」と感じてもらえたらいいなと思っています。
※上記記事は2023年4月に取材したものです。
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