藤田 勲 院長（レガロ歯科クリニック)のインタビュー

この道に至るきっかけをお聞かせください。

郷里の新潟で叔母がセレクトショップを営んでいました。お客様は洋服を買いにいらっしゃるのですが、コーヒーを前に長々と歓談するような、少し風変わりなお店だったんです。地方の名士、企業のオーナーや医師、歯科医師といった方々が、強い個性を持つ叔母を目当てに来店されていました。当時高校生だった私はお店の手伝いをしつつ、傍らで様々な話を聞く機会に恵まれました。とても楽しく色々とためになる話を耳に入れる中で、特に医療の世界の話に興味が向いていきました。そこで刺激を受け続けたことで、だんだんと人の役に立つ仕事、医療の道を目指すようになったんです。日本歯科大学を卒業後、厚木にある歯科医院に勤務しました。そちらの院長先生は特にインプラントに力を入れておられ、スタディグループの理事の役目も果たされていました。今でこそインプラントは広く認知されていますが、当時、実際に手掛けているところはごくごく限られた医院でした。大学を出てすぐに先端の現場を体験出来たことは、今に続く糧となっていると考えています。
2013年に『レガロ歯科クリニック』を開院致しました。この地域の皆様のお口の管理を任せていただけるよう、私に出来ることを精一杯務めさせていただきたいと考えています。

クリニックのコンセプトをご説明ください。

開院に至り、何か気の効いた言葉を医院名としたいと考えていたところ、この名前に出会いました。レガロとはイタリア語で、「人のために、贈り物」という意味があります。それが私の診療方針に通じると考え、この名を冠したという次第です。クリニックにはお子さまからご年配の方まで様々な方がいらっしゃいますが、私はその患者さんと歯科医師の間にあるであろう壁を出来る限り少ないものにしていきたいと考えています。何でも思ったことを気軽に相談出来るように。スタッフともどもコミュニケーションの充実を何よりのものと考え、この地域に住まう人のために少しでもお役に立っていきたいと思っています。

インプラント治療に造詣が深いとうかがっていますが？

インプラントは、天然の歯に置き換わる選択肢として現状最も優れた選択肢とは言えるかと思います。しかし、その一方でインプラントは万能ではありません。1つに、歯周病へのリスクがあります。天然の歯であれば周囲に様々な生きた組織が存在し、それらが防御機能を果たしてくれます。この点においてインプラントは人工物を埋め込むものですから、充分に防御機能が働かず、天然の歯以上にメンテナンスが重要になっていきます。私自身、日本口腔インプラント学会の認証医であり、経験も積んできておりますが、だからといってインプラントを全ての方に推薦しようとは考えていません。あらゆる選択肢のメリットとデメリットについて説明をおこない、患者さんが納得して治療を選んでいただけるようにと考えています。

診療の際に心掛けていることを教えてください。

当クリニックでは患者さんのプライベートに配慮し、個室や半個室の治療室で説明をおこなっていきます。これまでに経験してきたことですが、今、自分が何の治療を受けているのか、ご存知でない方が少なくない数いらっしゃいます。それに対し、私どもは術前と術後の写真をお撮りし、iPad等を用いてわかりやすい説明を加えることにしています。幸い、患者さんからは「こんなに時間を掛けてもらったことはない」ですとか、「こんなに丁寧な説明を受けたのは初めて」というお声を頂戴しています。私が患者さんの立場だとして、何がおこなわれているかわからないというのは非常に不安な部分だと思うんです。時間をしっかりとおとりし、患者さんが納得して治療を受け、お帰りいただけるようにと心掛けています。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

日本は歯科の受診率が先進国の中で著しく低いことをご存知でしょうか。定期的に歯科医院をご利用されているのは10％前後程度。北欧など歯科医療先進国では80％を越えると言いますから、その違いは大きいと言えます。未だ日本では「治療のために通う」という認識ですが、あちらでは「治療に至らないように通う」という意識が一般的なのです。当院ではその認識を少しでも良い方向へと導けるよう、なにより患者さんのお口の健康を守るために予防治療にも力を入れています。そのツールの1つとして、歯の表面の細かな傷を補修するクリームを塗布させていただいています。塗ると歯の表面に光沢が出ると同時に、日々のケアを助けてくれる優れものです。
悪くなってから行くのではなく、悪くならないためにクリーニングに行くという風に皆様を導いていければとと考えています。

※上記記事は2014.06に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。