齋藤 陽 院長(はるの木こどもクリニック)のインタビュー

はるの木こどもクリニック 齋藤 陽 院長

はるの木こどもクリニック 齋藤 陽 院長 AKIRA SAITO

聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学病院小児科に入局。20年以上大学病院に在籍し、腎臓病に関する研究を重ね、小児科の一般的な症状から重篤な病気まで様々な症例に触れ臨床経験を積む。2019年、藤が丘駅近くにはるの木こどもクリニックを開院。

大学病院で長く小児科の専門医として経験を積み開院

小さい頃から5~10歳下の従妹の世話が好きで幼稚園や学校の先生に憧れた時期もありました。幼少期は病気がちだったので地元の小児科の優しいおばあちゃん先生に診てもらったり、小中高校と野球をしていたので整形外科にもお世話になったり、医療は私にとって身近な存在だったので、医師になれば多くのことに携われると感じました。聖マリアンナ医科大学卒業後、小児科で2年間研修医として学び、大学院へと進み、小児科の中でも腎臓病に関する研究に没頭しました。腎臓病の研究に力を入れている新潟大学で2年間基礎研究をおこない、母校へ戻ってからは小児科の一般的な症状から腎臓病や小児がんなど大きな病気まで様々な症例に触れ臨床経験を積みました。20年以上大学病院に在籍していたので、後輩医師や医学部の学生への指導にも積極的に関わっていましたが、大学病院では診る機会の少ない地域のお子様の診療に関わりたいという思いが次第に強くなり、小児科クリニックでの診療経験を経て、2019年、藤が丘駅近くに「はるの木こどもクリニック」を開院。
藤が丘駅は母校の聖マリアンナ医科大学から近く、昭和大学藤が丘病院もあり、長くお付き合いのある患者さんや知り合いの医師とのネットワークを活かしやすい場所でとてもご縁を感じています。
私は5月生まれなので、子どもたちの成長と春先に木々の葉が芽吹く様子を重ね、私の名前である「陽」からは春の陽だまりの温かく明るいイメージを連想させるクリニック名として「はるの木こどもクリニック」と名付けました。長く愛されるクリニックになるようにと願いを込め、子どもの笑顔のようなかわいい太陽と若葉のマークをクリニックのアイコンにしました。

よくある症状から重大な病気を見逃さないための診療を

患者さんは小さなお子様を中心に、新生児から中学生までご利用頂いています。生後2か月の予防接種でお越しになる方も多く、地域的にも若いご家族が増えている印象です。当院では、小児科一般診療、予防接種、乳幼児健診、一般健康診断に対応しています。小児科一般診療では感染症、皮膚疾患、アレルギー、泌尿器系の疾患と幅広い症状の治療が可能で、特に風邪の症状でお越しになる方が多く見受けられます。一般的によくある症状だとしても、中には重大な病気が隠れていることもありますので、隠れた兆候を見逃さないように的確な診断をすることをモットーにしています。大学病院時代には救命救急センターでの診療を含め様々な症状のお子様を診てきましたので、これらの経験を活かし、急な症状の変化や髄膜炎など命に関わる病気や症状を見逃さないように心がけています。
これまで専門的に研究や診療を重ねてきました腎臓の病気でお悩みの患者さんも多く、その中でも夜尿症のお子様は日本に80万人いると言われています。夜尿症、いわゆる「おねしょ」はアレルギーに次いで多い病気ですが、痛みがあるわけでもないのでクリニックにかかって良いのか分からないと思われがちで、自然に治るだろうと思って受診をしないことがほとんどです。最近は徐々に受診をする患者さんが増えてきていますが、目安としては、小学校に上がる頃になっても夜におしっこを漏らしてしまうようであれば受診をおすすめします。寝る前に水分摂取を控えるなどの生活習慣の改善だけでなく、漢方薬を含むお薬の服用やアラーム療法などお子様に合った治療方法で治療を進めますので、早めにご相談下さい。
食べ物のアレルギー、喘息、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患やアレルギー疾患だけでなく、腹痛、食欲不振、長引く下痢など原因のはっきりしない症状にも対応しています。また、お子様の便秘も意外と多い症状の1つで、年齢によって原因は異なりますが、1歳前では離乳食を始めたことがきっかけになり、3~4歳ではトイレトレーニングによるストレスが引き金になることもあります。

お子様やご家族の方を一番に考えた治療をおこないたい

多くの方が驚かれることですが、実は大人だけでなくお子様も漢方を服用して頂くことができます。私は大学病院で漢方についても学び専門医を取得しました。小児科医で漢方の専門医を持っている先生は多くはないと思います。早ければ新生児からの服用が可能で、長く服用を続けることで症状が改善されることもありますが、場合によっては1回飲むだけで効果が現れるケースもあります。病気や症状によって全てに効果があるというわけではありませんが、普通のお薬では改善されない場合は漢方薬の服用も治療の1つとしておすすめしています。また、当院では不必要な抗菌薬は処方しません。一昔前まで風邪で熱を出すと小児科でも抗生物質を処方するというのが一般的でしたが、抗生物質に身体が慣れてしまうとお薬が効きづらくなり、耐性菌が増えるというデータがあります。そもそも風邪はウイルス感染によるものなので抗生物質による効果はなく、本当に必要だと思われる時にだけ抗生物質を処方しています。漢方薬にせよ、一貫して言えることは、なるべくお子様の身体に負担をかけない優しい治療をおこなう、ということですね。
診療だけでなく、医院全体の設備はお子様や親御さんに優しい設計をテーマにしています。バリアフリーを採用し、医療モールのエレベーター、入り口の扉や通路は双子用の横並びのベビーカーでも不便なく出入りできるように配慮をしてあります。水疱瘡、おたふく風邪などお子様同士の感染リスクを抑えるため、入り口横には隔離室を設けました。その場で結果が分かる血液検査や尿検査、喘息のお子様へご自宅でもお使い頂くための吸入器の貸し出しなど、医療機器にもこだわりを持って取り揃えています。

不安な気持ちを少しでも払拭できるよう、育児サポートも

普段から診療ではお子様や親御さんの目を見てお話をして、しっかり納得して頂けるように丁寧な説明を心がけています。親御さんは心配で不安な気持ちでお子様とお越しになるので、少しでも安心してお帰り頂けるように努めています。私は白衣を脱げば二児の父であり、子どもと遊ぶ楽しみだけでなく育児の大変さもよく分かりますので、新米のお母さんへ子育てのサポートやアドバイスを積極的におこなっています。お子様にとってクリニックは決して楽しい場所ではありませんが、例え泣いてしまってもまた来たいと思ってもらえるように、ニコニコ笑顔を忘れずに向き合っています。お子様も、ご家族の方も安心できる優しい診療をこれからも続けていきたいと思います。

これから受診される患者さんへ

症状によってはどの科にかかるべきか分からないと親御さんが悩む場合もあると思いますので、お子様のことで心配なことがあればまずはお越し頂きご相談頂きたいです。特に初めてのお子様の場合、近くに頼れる親族がいないと、心配で不安を感じることが多いと思いますので、遠慮せずに何でも相談して欲しいです。緊急性の高い病気やより専門的な治療を必要とする場合は、大きな病院や専門機関をご紹介しますので安心してお越し下さい。
※上記記事は2019年9月に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

はるの木こどもクリニック 齋藤 陽 院長

はるの木こどもクリニック齋藤 陽 院長 AKIRA SAITO

はるの木こどもクリニック 齋藤 陽 院長 AKIRA SAITO

  • 出身地: 東京都
  • 趣味・特技: 旅行、子どもと遊ぶこと
  • 好きな映画: 『南極物語』
  • 好きな音楽・アーティスト: サザンオールスターズ
  • 好きな言葉: 子どもの笑顔
  • 好きな場所・観光地: 素晴らしいオーロラを見ることができるアイスランド

INFORMATION