阿座上 志郎 院長(あざがみクリニック(小児科・アレルギー科))のインタビュー

あざがみクリニック(小児科・アレルギー科) 阿座上 志郎 院長

あざがみクリニック(小児科・アレルギー科) 阿座上 志郎 院長 SHIRO AZAGAMI

大学卒業後、小児科を専門に研鑽を積む。大学病院や総合病院で経験を重ね、青葉区に開業。

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

電気関係、理科系のことに興味を持っていましたので中学生くらいまでは理工学部に進みたいと考えていました。その気持ちが変わったのが高校3年生の時のことです。大学の説明会があったのですが、医学部の方のお話がすごく自分の心に響くところがあり、この道に進もうと考えるキッカケとなりました。加えて担任の先生が強く医学部への進学を勧めてくれたことも自分への後押しになったかと思います。
小児科を専門としたのには子供が好きということが決め手となりました。
入局後、最初に配属されたのが乳児室だったのですが、劇症肝炎など当時の医学では完治することが難しい病気に見舞われた子ども達がそこに多く集まっていました。私自身も立て続けに担当の子供を亡くしてしまったり、精神的にも厳しい時期を過ごしました。ただ、そうしたなかでも子供を抱っこ出来たり、治療中に垣間見せてくれる子ども達の笑顔が心の拠り所となりました。子供が好きだからこそ救われる部分もまた少なくなかったのです。

40歳を過ぎた頃、小児科の同期の人間の集まりの席で「阿座上は患者さんと話すのが好きだから、開業医向きなんじゃないの?」と開業を薦められたことがありました。お酒の席でのことでもあり、私もついついその気になってしまったのですが(苦笑)、その熱も覚めやらぬ2週間後、後輩から「青葉区にクリニックビルを建てるという話があるんですが、先生、いかがですか?」という話を貰ったんです。さらにまた数日後、今度は当時勤務していた横須賀共済病院の部長から「阿座上、良い話があれば遠慮することはないよ。」という言葉をいただきました。全てが突然のことで、偶然といえば偶然のことなのですが、これも何かの縁だと考え、1999年に『あざがみ小児クリニック』を開院させていただくこととなりました。

『あざがみ小児クリニック』の診療方針についてお聞かせください。

病気に対して充分にご理解していただけるようしっかりと説明をし、ご納得いただいた上での治療や経過観察ということを重要視しています。また治療を選択するにあたっては、常に最新の考えや技術を自分の中に取り入れ、患者さん(親御さんを含む)に複数の選択肢をお示しし、その中より選んでいただくようにしております。もちろん患者さんはお子さんですから、当院を怖がることなく楽しんでもらえるクリニックでありたいというのは最優先のことです。何が1番かとなればやはり、そこが1番かもしれません。お子さんに「ここへ来たい」と行ってもらえるようなクリニックでありたいと考えています。

診療の質の向上と病診連携の関係性についてお聞かせください。

デジタルレントゲンや血液・CRP迅速検査装置、生化学の迅速検査装置の導入は診療の質の向上という面に加え、スムースな病診連携につながると考えてのことです。無論、外来で診れる範囲のものは外来で対応致したいと考えておりますが、あるタイミングで病院に送ったほうが良い病気も存在します。そこをより正確に迅速に対応するには一定以上のことが出来なければなりません。
例えば夕方、小さなお子さんが熱を出して来院されたとします。おそらく風邪であろうと思われるが、それにしても元気がない。その際、血液検査の備えがあれば、その病気が川崎病の初期状態に近いことがわかることもあります。血液検査だけで川崎病であるかどうかの断定は出来ませんが、その時点で風邪とは違う性質のものであることが判断出来るわけです。
もっと早い段階で大学病院にご紹介するというのもそれはひとつの方法であり、尊重されるべき判断です。ただ、設備があることにより、患者さんやご家族への負担を軽減し、よりスムースな病診連携を計ることが可能になると思うのです。

メール配信サービスについてお聞かせください。

当クリニックのメール配信サービスは現在2000家族を越える方にご利用いただいております。院内情報はもとより、肺炎球菌ワクチン等、各種の予防接種についてお知らせさせていただいております。診察室でのやり取りはどうしても時間という制約があることは否めません。それ以外の手段で自分の考え方をお伝えするツールとして必要なものだと捉えております。また患者さんから診察室で聞けなかったことについてメールでご質問を受けることも週に2、3通ございます。この地区は海外へ赴任される方もまた多い地域となりますが、患者さんで海外に赴かれ、現地から「この症状はどうだろうか?」と具体的な質問をいただいたこともありました。
院内だけに限ることなく、こうした便利なツールも有効に活用し、出来る限り患者さんやそのご家族の方とのつながりを長く強いものとしていきたいと考えております。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

個人的なことになりますが、私が当クリニックを開院した時期は子供が小学校から中学校に差し掛かるころで、自分ではとにかく突っ走っていった気持ちだったものの、家計を預かる妻には当時大変心配を掛けたと思っています。自分がいま、ここでこうして患者さんを診ていられるのも妻と一緒に築きあげてきたからできたことですから、この場を借りて「これまで苦労をかけてきたけど有り難う。これからも一緒にやっていこうね。」と言いたいです。
小児科は子供に関する心配を何でも拝見し、必要な時は速やかに適切な措置をおこなうことを義務としている科です。お母さんがお子さんをご覧になり、心配であれば仮に病気でなくても小児科をご利用くださっていただいて結構です。そこに何の遠慮も配慮もされることはありません。
お子さんの症状等で「どこに行けば良いんだろう?」「どうすれば良いのかわからない。」ということがございましたら、まずは小児科をお訪ねください。
私どもは青葉区の小児科医会を通じ、地域の育児教室等でお話をさせていただく機会を持たせていただいております。院内以外でもそうした機会を通じ、お母さんの「子供を育てる」ことの不安を少しでも解消させていただければと考えております。

※上記記事は2011年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

あざがみクリニック(小児科・アレルギー科) 阿座上 志郎 院長

あざがみクリニック(小児科・アレルギー科)阿座上 志郎 院長 SHIRO AZAGAMI

あざがみクリニック(小児科・アレルギー科) 阿座上 志郎 院長 SHIRO AZAGAMI

  • 出身地: 東京都
  • 趣味・特技: 電気関係、写真
  • 好きな本: デジタル・オーディオ関連書籍
  • 好きな映画: インデペンデンス・デイ 、スター・ウォーズ /SF系、ヒーローもの
  • 好きな音楽: J-POP、イージーリスニング
  • 座右の銘: 和をもって尊しとなす
  • 好きな場所: 温泉

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